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マンガ株式入門

今回は番外編の4回目、信用取引のお話です。

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投資家を信用して成り立つ延べ払い

 株の代金支払いの方法は「現金一括払い」だけでなく、「信用取引」という方法もあります。買った株と引き換えに代金の3割など一定額を支払い、残りの代金は、たとえば6ヵ月後に支払いを約束するなど、延べ払いにします。それは家電製品の「ボーナス併用2回払い」に似ています。家電販売店がお客さんを信用してボーナス払いを認めるように、証券会社は投資家を信用して延べ払いを認めるから、「信用取引」と呼んでいます。

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低くなった取引口座開設のハードル

 信用取引を行いたければ、証券会社で一般の証券取引口座とは別に信用取引口座を開設しなければなりません。その際、審査があります。とはいっても資産額や投資経験は以前ほど問われず、ハードルは低くなりました。信用取引で株を買う時は、その時点で代金のうち一定の割合を支払いますが、これには担保の意味があり「委託保証金」と言います。その割合は一般に3割と言われていますが、証券会社によって多少の違いがあります。

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 信用取引できる銘柄も取引条件も証券取引所が決める制度信用取引(返済期限6ヶ月)だけでなく、 全銘柄対象に取引条件を自由に決められる一般信用取引もでき、 中には「期限無制限」という証券会社もあります。ただし、一般信用取引でも信用売りのできる銘柄には制限がある場合が多いです。



少ない元手で大きな利益?

 家電製品、たとえば大型液晶テレビは段ボール箱を開けた瞬間に中古品になり、買った値段よりも高く売れることはまずありません。一方、株には新品も中古もなく、買った値段よりも高く売れるケースは大いにありえます。そうなった場合、現金一括払いの「現物取引」と比較すれば、信用取引はより少ない元手でより大きな利益をあげられることがわかります。そこに信用取引ならではのうま味があり、「投資効率が良い」と言います。

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下げ局面でも利益を上げる「空売り」の仕組み

信用取引では、残りの代金を払って清算するまでの間、お金を借りますが、証券会社からお金ではなく株を借りることもできます。株を借りて、それを売って現金化します。これを「空売り」と言います。6ヵ月後などの期限が来たらその株を買い戻し、証券会社に返して清算します。売った株価より買い戻した株価の方が安ければ投資家は利益を得られます。これが、信用取引の空売りにより、株価が下落する局面でも儲けられる理屈です。

 

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少ない元手で大きな損失も?

 信用取引は少ない元手で大きな利益をあげられ「投資効率が良い」と言いましたが、それは株価の予測が当たった場合です。逆方向に外れると、「少ない元手で大きな損失を被る」ことを覚悟しなければなりません。信用買いした銘柄の株価が大きく下落したら、証券会社は追加保証金(追証)を要求します。払わなければ清算され、損失が確定します。信用取引は「ハイリスク・ハイリターン」であることを、肝に銘じておいてください。

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(2007.12.13)

寺尾 淳(てらお じゅん)
同志社大学法学部卒。経済関係出版社勤務等を経て86年からフリーランス。86〜92年「週刊現代」「NEXT」で主に経済記事を執筆。92年以降「Forbes日本版」を中心にビジネス雑誌の仕事を続ける一方、単行本も10冊以上出版している。更に詳しく
イラスト/ヨツモト ユキ
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