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マンガ株式入門

今回は番外編の6回目、「基本財務諸表」のポイント指南です。

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「基本財務諸表」3点セット

 どんな会社でも年に1回は「決算書」を作成します。投資家がその株を取引できる上場企業では、1年通じた本決算と上半期だけの中間決算を行うところが多く、3ヵ月ごとに「四半期決算」を行う企業もあります。決算期の区切りは4月〜3月の「3月期(本)決算」が大多数で、9月末で中間決算を行います。「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」の3点セットは必ず作成していて、これを「基本財務諸表」と言います。

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「PBR」ってなに?

 「貸借対照表」はバランスシートとも言い、左半分と右半分の合計金額は必ず一致します。投資家にとって重要なのは右半分の下の方の「純資産」の合計額で、これは「株主資本」という別名でも呼ばれます。左半分の「総資産」の合計額から負債(借金)を差し引いた残りの部分が純資産です。現在の株価×発行済み株式数(=「時価総額」と言います)を純資産で割った数字を「株価純資産倍率(PBR)」と言い、小さいほど株価は割安です。

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利益にもいろいろある

 「損益計算書」で投資家がまず見るべきなのは、「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引前当期純利益」「当期純利益」という5つの利益の金額が、前年度比でどれぐらい増減したかです。利益が増えると株主への還元が期待でき株価は上がりますが、大事なのはその中身です。売上総利益(粗利益)が大きく伸びたら「営業は好調」と判断できますが、それが不調なのに当期純利益が伸びたら、リストラで利益をひねり出した可能性大です。

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「当期純利益」からPERとROEを導く

損益計算書の5つの利益のうち最も重要なのは「当期純利益」です。現在の株価×発行済み株式数(時価総額)を当期純利益で割った数字を「株価収益率(PER)」と言い、小さいほど株価は割安です。当期純利益を純資産(株主資本)で割って100を掛けた「株主資本利益率(ROE)」もよく使われ、数字(%)が大きいほど経営効率が良い優良企業ですが、その場合の当期純利益は損益計算書のそれではないので、注意してください。

 

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「キャッシュフロー計算書」の健全なバランス

 「キャッシュフロー計算書」には、営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローそれぞれの金額が書いてあります。「営業」で稼いだ利益と「財務」で調達した資金をどれだけ「投資」に使ったかというお金の流れがわかります。「営業」プラス、「投資」マイナス、「財務」プラスで、「営業」>「財務」が健全なバランスです。「営業」<「財務」は営業の不振を借金で埋め合わせしており、良くない状態です。

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(2008.02.14)

寺尾 淳(てらお じゅん)
同志社大学法学部卒。経済関係出版社勤務等を経て86年からフリーランス。86〜92年「週刊現代」「NEXT」で主に経済記事を執筆。92年以降「Forbes日本版」を中心にビジネス雑誌の仕事を続ける一方、単行本も10冊以上出版している。更に詳しく
イラスト/ヨツモト ユキ
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