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■いま話題の「二世帯住宅」の活用法とは?

二世帯住宅とは

二世帯住宅とは、同じ建物内で親世帯と子世帯が暮らす住宅です。それぞれのライフスタイルに合わせて、居室以外の生活スペースや設備を世帯間でどのように共用するかによって次の3タイプに分けられます。

  • 1.「完全分離型」:玄関2つ、キッチンや浴室2つというように、生活空間を完全に独立(分離)させた建築設計による建て方。通常、親子の共有スペースはないタイプ
  • 2.「完全共有型」:完全分離型とは正反対に、自室(寝室)を除いたスペースがすべて親子の共有空間となる建て方。「完全同居型」と言い換えることもできるタイプ
  • 3.「部分共有型」:完全分離型と完全共有型の中間に位置するのがこのタイプ。たとえば、玄関と浴室は共有し、トイレ、リビングダイニング、キッチンと自室を独立させるような設計が一般的

なお、共有型の建物の分け方としては、階段移動のない1階を親世帯、玄関などがなく広いスペースがとりやすい2階を子世帯というように、上下階で世帯を分けるケースが多いようです。

二世帯住宅はライフプランの実現に有効

二世帯住宅で暮らすことによって、親世帯・子世帯にとってお互いにメリットがあります。たとえば、親が病気やケガ、先々の介護などに早急な対応がしやすいというのは、親世帯にとっても子世帯にとっても身近に住んでいることで大きな安心感を得ることができます。

また、近年の傾向としては、共働きが増えてきたことに伴い、保育園や学童保育への送り迎えや仕事から帰宅するまでの世話など、親世帯に子育てをサポートしてもらえるといった子世帯側のメリットと共に、親世帯にとっても、かわいい孫にいつでも会えるといったメリットもあります。以前は夫の親との二世帯住宅が多いようでしたが、最近では妻の親とのケースも増えてきています。特に妻の親との二世帯住宅を希望する人には、共働きのケースが増えているようです。

親の建て替え時期と子の自宅建築時期は重なることが多い

子世代の1回目の住宅取得時期と、親世代の建て替え時期は概ね重なります。一般に子世代の住宅取得時期は、子どもの出産で家族が増え、今まで住んでいた賃貸マンションなどが手狭になり、また、将来のことを考えて子ども部屋が必要になってくる30代です。

一方、親世代は、60歳を超えたリタイア後には、子どもは独立しているので、老夫婦2人の住まいとしては広すぎる、また住まいも古くなり大規模な修繕や、老後の生活を快適に暮らすためのバリアフリー化も必要になってきます。そのためには、大規模なリフォームが必要となり、高額な資金負担を避けられません。それならいっそのこと建て替えることも考えることになります。

このような状況から、親世代と子世代では住宅の取得時期が重なるケースが多く見られます。そこで、親子が別々に住まいを建てるより、今までの親が住んでいた敷地に親子二世帯住宅を建てれば建築費も大幅に軽減できます。

たとえば、親子がそれぞれ別々に住宅を確保する場合、一般的な目安として、親の建築代金は約2000万円、子のマンション購入代金は4000万円、併せて6000万円ほどになります。しかし、親の敷地に二世帯住宅を建てれば総額で約4000万円と資金負担が大幅に軽減することになります。このように二世帯住宅にすることで、親子それぞれの資金負担が大幅に削減できます。

二世帯住宅は多様な住宅ローンの利用が可能

親子で力を合わせて住宅ローンを負担する二世帯住宅向けの住宅ローンが利用できます。
二世帯住宅の借り入れとしては、多くの金融機関で認めているのが収入合算です。親子で収入合算することにより、大型の住宅建築も視野に入ってきます。

また、二世帯住宅のローンとしては「親子リレーローン」と「親子ペアローン」の2タイプが代表的です。

「親子リレーローン」とは、親が借り入れて、同居する子どもがその債務を受け継ぐ「親子承継償還」タイプです。このタイプは、一般の住宅ローンにある親の完済時の年齢制限(80歳)はなくなり、債務を受け継ぐ子どもが連帯債務者になります。

「親子ペアローン」は、1棟の二世帯住宅を買うのに、親と子で別々に借り入れることができるもので、申し込みは2口になり、住宅ローン控除などの税制優遇措置も親子それぞれが受けられます。 ただし、建築のパターンと登記のパターンの組み合わせによって利用できる住宅ローンが異なります。

二世帯住宅の建築パターンと住宅ローンの選択

完全分離型 玄関2つ、キッチンや浴室2つというように、生活空間を完全に独立(分離)させた建築設計による建て方。通常、親子の共有スペースはない。
完全共有型 完全分離型とは正反対に、自室(寝室)を除いたスペースがすべて親子の共有空間となる建て方。「完全同居」と言い換えることもできる。
部分共有型 完全分離型と完全共有型の中間に位置するのがこのパターン。たとえば、玄関と浴室は共有し、トイレ、リビングダイニング・キッチンと自室を独立させるような設計が一般的。

登記のパターン

区分登記 1軒の建物を2つ以上の完全に独立した住宅と捉え、それぞれについて所有権を登記する(例:親と子がそれぞれ所有)
共有登記 1軒の住宅を複数人で登記する(例:親と子、夫と妻が共有)
単独登記 1軒の住宅を土地、建物いずれも1人の名義で登記する(例:親または子が単独所有)

住宅ローンの選択

分離型 区分登記 銀行ローン:親と子がそれぞれ単独ローン、もしくは親子リレー返済
共有型 共有登記 銀行ローン:親子リレー返済、もしくは親子ペアローン
共有型 単独登記 銀行ローン:親または子が単独ローン、もしくは親子リレー返済
二世帯住宅と相続税改正

二世帯住宅は敷地の相続税評価額を抑えることにより相続税を軽減できる「小規模宅地等の特例」の恩恵を受けることができます。亡くなった親と相続する子がそれぞれ別々に住宅を建てて住む場合には、親の敷地だけが相続税の評価額が最大80%減額できる「小規模宅地等の特例」の対象となりますが、二世帯住宅なら、二世帯住宅の敷地全体に対して小規模宅地等の特例が適用されるので有利です。

さらに2014年の相続税改正によって、二世帯住宅についての要件が緩和されたことも注目されているポイントのひとつです。これまでは、玄関が共用、または玄関が別でも建物内で行き来できる構造でなければ適用にならなかったものが、建物内の構造に関係なく、すべての二世帯住宅に特例が適用できようになりました。

二世帯住宅の注意点

二世帯住宅を検討していた人にとっては、メリットも多いといえそうです。ただし資金負担や節税のことばかりを考えて、無理に二世帯住宅での暮らしに踏み切ってしまわないよう注意が必要です。

二世帯住宅は年齢や価値観、生活習慣などの違いにより、生活上のトラブルも懸念されます。
あくまで親世帯・子世帯が十分に話し合ったうえで、円満な二世帯生活が送れるようなプランを考えたいものです。