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生活の場面別

社会保険と年金

■国民健康保険で医療費が高額になったときは高額療養費制度が利用できる

●高額療養費制度って、なに?

重い病気やけがなどで医療機関に長期入院したり、治療が長引く場合には医療費の自己負担が高額となります。こうした時の家計負担を軽減できるように国民健康保険には高額療養費制度があります。

●自己負担限度額超過分が、払い戻される制度

高額療養費制度とは、1カ月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担を医療機関の窓口で支払った後に、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が後で払い戻される制度です。自己負担限度額は、年齢及び所得に応じて定められています。ただし、入院中の食事代や差額ベッド代など健康保険の適用外の自己負担額は対象になりません。

また、多数回該当という仕組みがあり、直近の12カ月間に、すでに3回以上高額療養費の支給を受けている場合には、4回目以降の自己負担限度額がさらに引き下がります。

●事前申請で、医療機関の窓口支払いが自己負担限度額までに

なお、70歳未満の人が入院する場合、事前に市区町村に申請して限度額適用認定証の交付を受けておけば、医療機関の窓口での支払いは自己負担限度額までとなります。

70歳以上は、限度額適用認定証がなくても、医療費の窓口負担が自動的に一般(3割負担の方は現役並み所得者)の自己負担限度額までの支払いで済みますが、住民税非課税世帯については、限度額適用認定証の交付を受け、医療機関に提示すると、さらにそれ以下の自己負担限度額までの支払いで済むことになります。

●自己負担限度額について

1.70歳未満の自己負担限度額(平成26年12月まで)
70歳未満の自己負担月額は次の基準となります。

所得区分 3回目まで 4回目以降
(多数回該当)
(A)上位所得者

(所得600万円超)
150,000円
(医療費が500,000円を超えた場合は、その超えた分の1%の額を150,000円に加える)
83,400円
(B)一般

(A、C以外)
80,100円
(医療費が267,000円を超えた場合は、その超えた分の1%の額を80,100円に加える)
44,400円
(C)住民税非課税世帯 35,400円 24,600円

【計算例】
ある月の総医療費が50万円で、所得区分が「一般」に該当する場合
<一部負担額>
 500,000円×一部負担割合3割=150,000円
<自己負担限度額>
 80,100円+(500,000円−267,000円)×1%=82,430円
<高額療養費支給額>
 150,000−82,430円=67,570円

2.70歳未満の自己負担限度額(平成27年1月以降)
平成27年1月以降の自己負担限度月額は、負担能力に応じてきめ細かく対応できるように所得区分が細分化され、下表のようになります。

所得区分 3回目まで 4回目以降
(多数回該当)
(A)901万円超 252,600円
(医療費が842,000円を超えた場合は、その超えた分の1%の額を252,600円に加える)
140,100円
(B)600〜901万円 167,400円
(医療費が558,000円を超えた場合は、その超えた分の1%の額を167,400円に加える)
93,000円
(C)210〜600万円 80,100円
(医療費が267,000円を超えた場合は、その超えた分の1%の額を80,100円に加える)
44,400円
(C)210〜600万円 57,600円 44,400円
(D)住民税非課税世帯 35,400円 24,600円

3.70歳〜74歳の自己負担限度額
70歳〜74歳の自己負担限度額は、外来分は加入者一人ひとりの計算ですが、入院がある場合には世帯単位の計算(外来分+入院分)になります。70歳〜74歳の自己負担限度額は平成27年1月以降も据え置かれます。なお、75歳以上になると国民健康保険の被保険者ではなくなり、後期高齢者医療制度の高額療養費を受けることになります。

所得区分 3回目まで 4回目以降
(多数回該当)
外来
(個人ごと)
外来+入院
現役並み所得者 44,400円 80,100円
(医療費が267,000円を超えた場合は、その超えた分の1%の額を80,100円に加える)
44,400円
一般 12,000円 44,400円 多数回該当の
適用なし
住民税非課税
世帯U
8,000円 24,600円
住民税非課税
世帯T
8,000円 15,000円
●世帯の合算ができる

一人1回分の窓口負担では高額療養費の支給対象とはならなくても、1ヶ月(1日から月末まで)以内であれば、複数回の受診や同じ世帯にいて同じ国民健康保険に加入している他の人の受診にかかった自己負担額を合算して高額療養費の支給を受けることができます。ただし、70歳未満の受診については、1ヶ月21,000円以上の自己負担のみが合算されます。

【計算例】

被保険者
甲病院 自己負担額60,000円
(医療費 200,000円)
<世帯合算>
甲病院60,000円+乙薬局24,000円
+丙病院30,000円=合計114,000円
⇒高額療養費の対象となる
乙薬局 自己負担額24,000円
(医療費 80,000円)
被保険者
丙病院 自己負担額30,000円
(医療費 100,000円)
●申請手続きと貸付制度の利用

高額療養費の支給を受けるには、住んでいる市区町村の保険年金課などに「高額療養費支給申請書」を提出すれば3ヶ月ほどで指定の預金口座に振り込まれます。なお、支給申請には2年の消滅時効があるのでできるだけ早く申請手続きをしましょう。
また、いずれ払い戻しされるとはいえ、一時的にでも高額な医療費を自己負担するのが厳しい場合には、高額療養費の支給見込額の9割を無利子で借りられる「高額医療費貸付制度」があります。借入期間は高額療養費が支給されるまでの約3ヶ月間となります。手続きは住んでいる市区町村の保険年金課などです。