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■マンション投資はここに注意!

マンション投資の“利回り”とは?

預金や国債などの金利が低い昨今、高利回りを謳うマンション投資に関心を持つ投資家は少なくありません。マンション投資は利回りの高さが魅力ですが、本来、マンション投資をする場合の利回りは、毎月の家賃収入と将来の売却損益とを合わせた「実質利回り」で計算する必要があります。
例えば、1000万円の賃貸用マンションを購入して10年後に売却するとした場合、所有期間中の家賃収入が月5万円、10年後の売却価額が700万円と仮定すると、10年間の実質損益は300万円(家賃収入600万円−売却損300万円)なので、年間の実質利回りは3%となります。
マンション投資物件を選ぶ場合には、予想した家賃収入や売却損益が将来悪化することが多いので、目標とする実質利回りは一般の投資商品より高い5%以上とするのがいいでしょう。

将来の売却値段の予想は難しい

しかし実際は、購入時に将来の売却損益まで予想することは難しく、多くの投資家は家賃収入だけで利回りを考えています。現実的にはマンション投資で売却益が生じることはほとんどなく、多くの場合、売却損が生じることを知っておかなければなりません。そのためには、購入時に家賃収入だけでなく、購入価格が適正かどうかを確認することが大切です。
次にご紹介するのは、家賃収入だけに注目してマンション投資をしたために、大きな失敗をしたケースです。

「家賃収入を10年間保証」に飛びついた! でも、ほんとに大丈夫?

大手電機メーカーに勤める定年前のAさんは、中堅不動産会社から中古のワンルームマンション投資を勧められました。長年にわたって安定した家賃収入が年金と同じように得られるので、マンション投資は老後資金のための有利な運用方法だというのです。
業者の試算によると、全7戸を総額1億円で購入し、自己資金1000万円、残り9000万円を業者紹介のノンバンクローンを利用すれば、月間の家賃収入は管理費を差し引いて43万円となり、これを10年間保証してくれます。ローンの返済額33万円を負担しても毎月10万円の収益が得られるというものです。ローンの条件は30年返済で、金利は変動金利で当初2年間は優遇金利の2%を適用、2年後はその時点での金利水準を考慮して決めるとのことでした。すっかり気に入ったAさんは、思い切って業者の提案通りでの購入を決めました。

2年後、金利が3倍で赤字に! しかも売るに売れないジレンマ…

しかし、2年近く経ってノンバンクから届いた通知を見てAさんはびっくりしました。2年後からの適用金利は6%で月々の返済額は53万円になるというのです。つまり、家賃収入をすべて充てても毎月10万円も足らないことになります。金利の低い他の銀行に借り換えを相談しましたがどこも断られました。
これではローンを返していけません。仕方なく、すべての物件を売却しようと時価を調べたところ、売却予想価格は総額で5200万円とまたまたびっくりです。ローン残が8500万円もあるため、売却するには3300万円もの追加資金が必要なのです。売るに売れず、かといってローンを払い続けることもできず、このままでは退職金がすべて消えてしまうことになります。他の不動産会社に調べてもらったところ、時価は2年前でも今とほぼ同じだったそうです。つまり、業者はなんと相場の2倍近い価格でマンションを売りつけていたのです。
Aさんは監督官庁に相談しましたが、取引価格は売主と買主が協議して決めるものなので、仮に相場の2倍で買わされても違法性はないというのです。Aさんは、現在も解決のめどが立たず途方に暮れています。

マンション投資 想定と実際のギャップ例
  月間家賃収入
(−管理費)
金利 月間返済額 収支
想定 43万円 2%前後(※) 33万円 +10万円
実際 43万円 6% 53万円 −10万円

※2年後に金利変動することは想定していたが優遇金利を元に新金利を考えていた


犯してはいけない2つの過ち。事前確認は周到に!

この失敗したケースでは問題点が2つあります。1点目は時価の2倍もの価格で購入させられたことです。買う前に他の不動産業者に時価評価を確認することが大切です。2点目はローンをノンバンクから変動金利型の優遇金利で借りたことです。変動金利型の優遇金利は数年後に必ず金利が上昇して返済額が増えることを認識しておくことが大切です。