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■生命保険会社が破たんすると〜自身の保険の危険度は?

2つの破たん処理方法

生命保険会社が破たんした場合には契約者の保険を守るための制度として2つの方法が用意されています。生命保険契約者保護機構による破たん処理と更生特例法の適用です。
生命保険契約者保護機構は、保険業法に基づいて1998年12月に設立され、国内で営業しているすべての生命保険会社が加入しています。
生命保険会社の経営悪化などで、金融庁のドクターストップ(業務停止命令)によって保険会社が破たんした場合は、生命保険契約者保護機構は業務を引き継いでくれる保険会社を探します。その際、加入している保険の責任準備金(概ね解約返戻金相当)の10%がカットされます。

2000年以降は更生特例法が主流に

一方、更生特例法は、2000年6月以降に適用される破たん処理方法で、保険会社が資金繰りに行き詰まった時に自主的にギブアップする制度です。自ら裁判所へ申請し、受理されれば破たん処理へと移ります。そのため更生特例法の適用の場合は保護機構ではなく、裁判所が業務を引き継ぐ会社を探し、更生手続きをします。
2000年10月に千代田生命保険が破たんし、初めて更生特例法の適用を受けました。これ以降、破たんしたすべての生命保険会社が更生特例法の適用を受けた手続きをしています。
更生特例法のメリットは、金融庁の業務停止命令を受ける前に自らがギブアップするため、債務悪化が大きくならないうちに再建が可能なことです。そのため財務状態によっては、カットが10%以下になる可能性もあります。実際、千代田生命保険に続き2000年10月に破たんした協栄生命はカット率8%、2001年3月に破たんの東京生命はカットなしで次の保険会社に契約が引き継がれました。 なお、更生特例法適用の場合でも、破たんした保険会社は生命保険契約者保護機構に加入しているため、責任準備金のカットが10%を超えることはありません。
ただし、以下のケースでは保険金額の減額幅がさらに大きくなる可能性があります。

保険金額76%減の例も

保険会社が破たんした場合、責任準備金のうち最大10%がカットされる以外にも、保険金減額の適用があります。破たんした保険会社から保険契約を引き継いだ次の保険会社が、予定利率(運用利率)を引き下げるからです。これは生命保険契約者保護機構による破たん処理と更生特例法の、どちらが適用されても同様です。この二重の削減で、契約した保険金額は大幅に減る可能性があります。削減の割合は保険の種類と加入した時期によって異なります。
たとえば、直近の2008年10月に破たんした大和生命の場合、会社特例法の適用を受けましたが、契約者が加入していた保険のうち、最も大きく削減された保険のケースは、1991年に30歳で加入した12年保証期間付き逓増型終身年金保険で、76%の削減でした。また加入者が多い養老保険では最大で43%の削減となりました。
保険金の削減の多い種類は、一般に個人年金や養老保険、学資保険といった貯蓄型の保険で、予定利率の高い1990年前半までに加入した保険は大きく削減されます。一方、削減の少ないのは掛け捨て型の定期保険や医療保険です。


 

加入している保険会社が心配になったら?

保険会社の最新の信用度は、スタンダード&プアーズなどの格付け機関のホームページで調べることができます。格付けがBBB、BBなど低い会社は注意した方がよいでしょう。では、加入している保険会社の経営が心配になったら、契約者はどう対応したらよいのでしょうか。

(1) 現在、掛捨てタイプの保険(定期保険、医療保険など)に加入している場合
現在加入している保険会社から他の保険会社に新たに入り直した場合、年齢の上昇分だけ保険料が高くなる可能性がありますが、最近は保険料を割安にしたネット保険会社の新商品もたくさん発売されていますので、比較検討する価値はあります。
ただし、掛捨てタイプの保険は万一保険会社が破たんしてもそれほど大きな削減はありません。過去に破たんしたケースでは、削減率はほとんど3%程度以下です。保険料だけでなく自分に合っている保障なのか、内容もよく見た上で検討するのがよいでしょう。

(2) 貯蓄性の高い保険(養老保険、個人年金保険、終身保険など)に加入している場合
加入時期が1990年代前半の場合、予定利率は5.5%〜3.75%と高くなっています。こうした予定利率の高い契約は、保険会社が破たんした場合の削減率は50%を超えるなど、大きくなります。しかし現在、新たに保険に入り直すと予定利率は1.5%〜1.0%程度とだいぶ低くなりますので、できるだけ旧契約を温存しておきたいところです。
保険会社に問い合わせれば、今までに支払った保険料総額と解約返戻金を教えてもらえますので、保険料以上の解約返戻金が受け取れるのであれば解約する、という考え方もあります。どうしても気になる場合には解約を選択するのもいいでしょう。